仕上げ　ポートフォリオ

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不慈

アニメーション制作会社の仕上げとして就職したいのですが、ポートフォリオはどのようなものを作れば良いのでしょうか。アニメーターさんに書いてもらって、それに彩色するだけでも良いのですか？（もちろん本人には許可を取り、会社には他人に書いてもらったことをきちんと伝えます。）

投稿日 : 1 年前

更新日 : 1 年前

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1 年前
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アニメ仕上げ部よもやま話「3」

アニメ仕上げ専門会社の社長（アナログ時代／仕上げ作業のベテラン／色彩設計経験者）さんに聞いたことがあります。

「影色の作成基準のコツを教えてください」「ハイライトにつてもお願いします」

『色彩設計の決まりはないですが、厳密に言うと使ってはいけない色があります。ビデオ編集等で信号に絡む色ですが専門的過ぎて一言では説明できません』
『一般的に知られている、R255,G255,B255は透明色として扱うので白色として使用できません。実用的なハイライト色は、R240,G240,B240 前後で十分です』
『基本は背景美術とのマッチングに重点を置くので、何もない状態で影色を設計しても基本形しか作れないので、バリエーションとしては意味が無いと思います』

「デジタル上で、不透明度50％の黒色を被せれば理論上、影色になると思うのですが…」

『それでも間違いではないですが、臨場感の無い色なので、面白みも無いので、とても綺麗！と感動を呼ばない色です』
『決まりを作ってしまうと、どの作品を見ても同じになるので良い仕事とは言えませんね。毎回苦労しますが捻り出すのは楽しみでもあります』

臨場感を言い換えると「環境光」らしいです。キャラクターなどが置かれている場所や時間帯で、室内用や屋外の昼色／夜色にに付随する標準色と影色。
朝・昼・夜でも、背景色の環境光（反射光）で、いちいち色が変わるので色彩設計は簡単な仕事ではなく、感性による能力が大事だそうです。
一定レベルの「第一案」を監督に示して「ここはもっと明るくして」「ここは少し暗めにして」等の追加の要望を聞いて仕上げていきます。

昔、アニメ仕上げ部に居た複数人の色彩設計者は何でも「紫色系」のかえるさん、とか「水色系」のあだっぺ、とかの異名を持つ個性豊かな色彩設計者がいましたねぇ。

とは言ってもデジタル上で何らかのテンプレートみたいモノ（方式）を知りたいと思い、探ってみましたが教えを乞うのも難しいので
以下は私なりの方法です。（例えば肌色系の場合）

CLIP STUDIO PAINT の「色の設定」でメイン（標準）カラーを決める事から始めて、それを「HSV」の「明度(V)」のパラメーターを「15～20」程下げて、
「彩度(S)」のパラメーターをプラス「5」程度、鮮やかにして「影色（仮色）」を作成します。色相(H)は弄らない。（適当にドラッグ可）
次に、「中間色」パレットで標準色・影色（仮色）・背景設定で使われているメインの色をそれぞれ任意のコーナーに配色して候補の範囲から決定します。
（表示したレンジ幅の決め方も大雑把で単なる一つの参考方法論です。すべての私のコメントは私見なので鵜呑みにしないで下さい。決まりが無いのです）

プロダクションによっては新色を作らないで、自社のカラーチャートの近似色に纏める方向で作業するかも知れません。
（残念ながら CLIP STUDIO PAINT の「近似色」パレットの使い方をイマイチ理解できていません💦）
https://help.clip-studio.com/ja-jp/manual_jp/300_color/%E8%BF%91%E4%BC%BC%E8%89%B2%E3%83%91%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%90PRO__47_EX%E3%80%91.htm?rhhlterm=%E8%BF%91%E4%BC%BC%E8%89%B2&rhsearch=%E8%BF%91%E4%BC%BC%E8%89%B2
（「近似色」パレットが、既存のカラーチャートから近い色を探してくれる機能だった嬉しいのになぁ…）

そういえば、PaintMan のカラーチャートで色の名称から色を探す事は出来るけど「この色は何て名称」って逆引きで探す機能も無かったな…💦
今更 PaintMan の要望出しても基を作った人は引退したみたいだし…（望みはないけどCELSYSの現会長と前社長がその人達）

アニメ彩色者の頂点「色彩設計」という職称が「色彩監督」と呼ばれないのは「美術監督」の示した設定に従わなければならないという宿命なのかも知れません。

長々とコメントで占領して御免なさい。
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お礼のメッセージ
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不慈

1 年前

沢山のご回答ありがとうございます！
わたしくし普通の四年制大学に通っておりまして、アニメ業界は必死に調べているのにも関わらず右も左もわかりませんが、どうしてもこの業界で働きたいと思っております！
貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。
ベスト不要とのことでしたが、沢山教えていただいたので選ばせていただきますね(^^)
White Day様、けも様、ありがとうございました！
悔いのないよう頑張ります！
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1 年前
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何処かのアニメーション専門学校に通ってますか？
通っていたら就職斡旋のコーチや教務担当者にアドバイスを受けるのが普通で、授業料に含まれている筈です。

独学なら「コミュニケーション能力」が重要です。（これは書類選考にパスした後の二次面接で披露します）
文章で伝達する事も多いので「字が綺麗」もポイントです。（履歴書の文字）
デジタル塗りはとても簡単な仕事で、単に塗りだけでは評価の対象にならないと思います。（PaintManのブラックチェックで塗り漏らしを見つけるのは作業の一環です）
塗るなら同じ絵柄で「色違い」を何枚も提示して、あなたの色彩感覚能力の豊富さを見せる方が良いと思います。
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1 年前
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追伸：
作画の人が動画用紙に描いた線画をスキャンして二値化したドット状の線を綺麗に整えるの事も重要です。
仕上げ（彩色）の仕事の70％～90％は「線直し」です。（「塗りは一瞬」です）

アニメーターなら将来は作画監督やキャラクターデザイナーです。
仕上げ関連の頂点は「色彩設計」という職称ですが「色彩監督」と呼ばれないのが残念ですね。

因みに、私はアニメーションの仕上げ関係者ではないので鵜吞みにしないで他の回答を待って下さい（ベストは不要です）
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けも ◆

1 年前
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たぶん
ペイントマンは使えるに越したことはないくらいです
用語を知っているのはとても助かります（共通の話ができるのは強いです）
作業自体は会社が会社でのやり方を教えます
ポートフォリオはいままで描いたものを見せれば良いです
今まで何をしてたのか、何に興味を持っているのかなど知ってもらうのに役に立ちます
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1 年前
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一般ユーザーが「PaintMan」の存在と情報を知り得るのは、専門学校に通っていれば普通に授業で習うと思います。
独学で「PaintMan」の情報に辿り着いて、尚且つ自前で高額のRETAS STUDIO を所有していると云うのはとても稀です。

昔（と言ってもデジタル仕上げが盛んな時代）、アニメ制作会社の仕上げ部を覗いた時に、担当のお姐さんが小さい板タブ（A6）で作業していたので
「液タブは使わないのですか？」と質問したら「第一の理由は、画面が広いとストロークが長くなって操作が遅れるから」でした。
第二の理由は「自分の手が邪魔」。第三の理由は「仕事で使うものだからお金を掛ける事は厭わないが必要の無い機器には個人的に出す価値を感じない」と。

今どきの組織に居れば希望者に液タブの貸与は普通にありそうですが、決定的な否定理由は「液タブクラスでは発色が正しく表示されない」だそうです。
液タブで使用しているディスプレイは何処のメーカーも民生用の最低レベルの性能が多用されていて発色がバラバラなので、仕上げ部で液タブは歓迎されてない💦

けもさんが言う「ペイントマンは使えるに越したことはないくらいです」もそうですが、
人柄が良ければ PaintMan の操作を知らなくても採用されると思います。（機能はシンプルで操作が簡単なソフトなので誰でも使えます）
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削除済みユーザー

1 年前
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アニメ仕上げ部よもやま話「2」

実際に絵の具をセルに塗っていた時代。1枚のセルで隣り合わせの生の色が滲んで混色状態なるのを防ぐため「乾き待ち」の時間が必要でした。
（高さ70cmくらいで隙間2cm程度の「乾燥棚」を使います）
どんなに作業が早いベテランさんでも1日100枚塗り終わるのは大変でした。作業単価も「裏表」を合わせても100円に届かなかった時代です。
（「裏表」とは「トレス／ペイント」の事で、裏はペイント。表はトレスです。基本的にトレースとペイントは分業です）
アニメーター（動画）さんが1日30枚前後を清書して上げたものをトレスマシンで紙の線画をセルに転写して、トレーサーという職人さんが線の欠落を探して補正します。
ベテランさんは塗り作業は絵の具の量を手加減で調整してセルが乾いた時、光を通さない程度の均一の厚さで絵の具を塗る事も求められます。
アニメーターの動画作業の3～4人分を彩色姐さん1人で捌いている計算になります。いずれにしてもアニメーション制作は人手が必要です。
仕上げ部で時々「絵柄困難」という作業ランクが発生します。単価は「1枚なんぼ」ですから、1枚に多人数のキャラで200色使用とかの大変なセル画が存在します。（今も）
当然、1枚単価作業として割が合わないので職場長に特別単価の申請をします。（アニメーターさんも大変なカットは特別単価があります。原画で1カット10万円とか💦）

私は部外者なので各アニメ制作会社の現状の単価の詳細は判りませんが、仕上げ部門のデジタル化で事情が一変します。
例えば「髪の毛」の細い部分を筆と絵の具で、はみ出さない様に塗っていた時代はベテランでも早く塗る事が困難でした。ところが、デジタルだと一瞬で塗り終わります。
セル素材は「1枚下さい」なんて言えないほど高価な樹脂製だったので、昔の「色間違い」を想像してみてください。経済的な理由で単純に別のセルで塗り直し出来なかったのです。
絵の具が乾いてからセルを傷つけない様にして間違った部分の色を丁寧に慎重に剥がしていました💦
（アクリル系の「アニメカラー」は後でセルから剥がすことが出来たのですが、衣類の繊維に付着すると洗っても落ちない厄介な絵の具だったのです）
デジタルは間違っていても「何か」塗ってあれば後で PaintMan の色置き換え機能で簡単に差し替えできます。この差は100倍以上の違いで作業効率に反映します。
もう、大したベテランさんは要りません。新人さんでも1日500枚の作業も夢ではありません。セル塗りの時代から単価がほとんど変わっていない？ので大稼ぎ…？
収入が安定すると仕上げ部門を退職する人が減ります。席が空かないので仕上げ部門は新人さんにとって狭き門になります。

それと比べてアニメーターさんをウェルカムの制作会社が多いです。
大手制作会社に限っての話ですが、取り合えずアニメーターで就職して内部事情を探ってコネクションを作って仕上げ彩色に転職するのもありかもです。（勇者が存在します）

他にも「仕上げ部特効さん」と言う職称もあります。（アニメーションのセルに特殊効果を付けられるベテランさん）
元々は別室でコンプレッサーを使ったエアーブラシを操れる人の事ですが、デジタルに変わって Adobe Photoshop のエアーブラシ機能を操れると別格扱いになると思います。
勿論、CSPでも似たことは出来ると思うので極めてみては如何ですか？（最近はコンポジットの段階で特効を付けることが多い様で、トッコーさんて居なくなったのかなぁ？）

次回は「影色やハイライト色ってどうやって色決め？」の予定です。
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1 年前
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アニメ仕上げ部よもやま話「3」

アニメ仕上げ専門会社の社長（アナログ時代／仕上げ作業のベテラン／色彩設計経験者）さんに聞いたことがあります。

「影色の作成基準のコツを教えてください」「ハイライトにつてもお願いします」

『色彩設計の決まりはないですが、厳密に言うと使ってはいけない色があります。ビデオ編集等で信号に絡む色ですが専門的過ぎて一言では説明できません』
『一般的に知られている、R255,G255,B255は透明色として扱うので白色として使用できません。実用的なハイライト色は、R240,G240,B240 前後で十分です』
『基本は背景美術とのマッチングに重点を置くので、何もない状態で影色を設計しても基本形しか作れないので、バリエーションとしては意味が無いと思います』

「デジタル上で、不透明度50％の黒色を被せれば理論上、影色になると思うのですが…」

『それでも間違いではないですが、臨場感の無い色なので、面白みも無いので、とても綺麗！と感動を呼ばない色です』
『決まりを作ってしまうと、どの作品を見ても同じになるので良い仕事とは言えませんね。毎回苦労しますが捻り出すのは楽しみでもあります』

臨場感を言い換えると「環境光」らしいです。キャラクターなどが置かれている場所や時間帯で、室内用や屋外の昼色／夜色にに付随する標準色と影色。
朝・昼・夜でも、背景色の環境光（反射光）で、いちいち色が変わるので色彩設計は簡単な仕事ではなく、感性による能力が大事だそうです。
一定レベルの「第一案」を監督に示して「ここはもっと明るくして」「ここは少し暗めにして」等の追加の要望を聞いて仕上げていきます。

昔、アニメ仕上げ部に居た複数人の色彩設計者は何でも「紫色系」のかえるさん、とか「水色系」のあだっぺ、とかの異名を持つ個性豊かな色彩設計者がいましたねぇ。

とは言ってもデジタル上で何らかのテンプレートみたいモノ（方式）を知りたいと思い、探ってみましたが教えを乞うのも難しいので
以下は私なりの方法です。（例えば肌色系の場合）

CLIP STUDIO PAINT の「色の設定」でメイン（標準）カラーを決める事から始めて、それを「HSV」の「明度(V)」のパラメーターを「15～20」程下げて、
「彩度(S)」のパラメーターをプラス「5」程度、鮮やかにして「影色（仮色）」を作成します。色相(H)は弄らない。（適当にドラッグ可）
次に、「中間色」パレットで標準色・影色（仮色）・背景設定で使われているメインの色をそれぞれ任意のコーナーに配色して候補の範囲から決定します。
（表示したレンジ幅の決め方も大雑把で単なる一つの参考方法論です。すべての私のコメントは私見なので鵜呑みにしないで下さい。決まりが無いのです）

プロダクションによっては新色を作らないで、自社のカラーチャートの近似色に纏める方向で作業するかも知れません。
（残念ながら CLIP STUDIO PAINT の「近似色」パレットの使い方をイマイチ理解できていません💦）
https://help.clip-studio.com/ja-jp/manual_jp/300_color/%E8%BF%91%E4%BC%BC%E8%89%B2%E3%83%91%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%90PRO__47_EX%E3%80%91.htm?rhhlterm=%E8%BF%91%E4%BC%BC%E8%89%B2&rhsearch=%E8%BF%91%E4%BC%BC%E8%89%B2
（「近似色」パレットが、既存のカラーチャートから近い色を探してくれる機能だった嬉しいのになぁ…）

そういえば、PaintMan のカラーチャートで色の名称から色を探す事は出来るけど「この色は何て名称」って逆引きで探す機能も無かったな…💦
今更 PaintMan の要望出しても基を作った人は引退したみたいだし…（望みはないけどCELSYSの現会長と前社長がその人達）

アニメ彩色者の頂点「色彩設計」という職称が「色彩監督」と呼ばれないのは「美術監督」の示した設定に従わなければならないという宿命なのかも知れません。

長々とコメントで占領して御免なさい。
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